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書評「魔女の旅々(まじょのたびたび)小説 第一巻」

魔女の旅々 (GAノベル)

この作品を知ったきっかけは、たまたまYouTubeで目に入ったアニメ放映前の予告PVでした。原作(小説)は存在すら知りませんでしたが、アニメーションが綺麗だったので少し見入っていたのは覚えています。

アニメの第一話は、個人的には中々楽しんで観られたので、原作である小説も読んでみようと、まずは一巻を購入してみました。

概要

魔女であり主人公である「イレイナ」が、色々な国を訪れながら旅をして、そこで起こったことや感じたことなどが綴られる冒険物語です。

似たような作品として、ライトノベル界では有名な「キノの旅」があります。(私は2002年頃から読み続けています)

書評

各章の冒頭に毎回同じ語りが出てくるところなど、明らかに「魔女の旅々」が「キノの旅」を意識しているようなところが見受けられます。違うのは、前者が自画自賛を含んだ主人公の自己紹介であり、後者が事実を淡々と述べるに留める自己紹介であるかくらいの程度です。

魔女が旅する冒険物語ということで、「さぞかし魔法を使った血沸き肉躍るようなバトルが展開されるのか」と思いきや、第一巻においては殆どそのようなことはなく、少し拍子抜けしてしまいました。

各章の中で、何かしらの事が起きるわけですが、主人公は「その後どうなったのは、私には知る由もないし知りたくない・関係無い」みたいな感じで投げっ放しで終わることが何度か続いた時は、若干消化不良感が残りました。ただ、その後の別の話で偶然「あの時の…」と、再登場してくることも何度かありました。

とある章で、「主人公がこっそり城に忍び込んだところ、王宮の一部関係者達の悪企みを偶然見かけ、すぐさま彼らを縛って捕らえたところ、他の関係者達が騒ぎを聞いて駆け付けきて発見され、その後でに王に礼を言われる」というような話がありました。普通に考えれば、国にやってきたばかりの旅人(部外者)である主人公と、縛り上げられた王宮関係者達が同じ場所に居る状況において、前者を一方的に信用して物事が解決する流れはありえないと思うのですが、そうならない理由に関する説明や描写の文章が無く、読み終えた後で納得出来ませんでした。著者の書き忘れなのか、最初からこれで十分だと思っていたのかは分かりません。

第一巻を最初から最後まで読み通して感じたのは、感情的な起伏をあまり感じなかったことで、良く言えば気楽に読める、悪く言えば読み続けていると退屈さを感じて辛いというものです。「(第二巻は)第一巻より面白いと思った」というレビューがあったので、第二巻も読んでみて、その後も読み続けるか判断するつもりです。

魔女の旅々 (GAノベル)

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