データベースと言えばOracleとMySQLを触ったくらいでしたが、本格的に触るようになって５年程経っていたものの、そんなに頻繁に使うこともなく、何となく概念とか基本的なコマンドやSQL命令文、似たようなテーブル設計手法を知っていた程度だったので、評判がよさそうなこの本を読んでみました。
概要
データベースの基礎を学んだ人がステップアップする為の本です。基本的概念や命令文については説明されておらず、正しい正規化を踏まえた設計やパフォーマンスを考慮した設計、やってはいけないバッドノウハウなどを解説しています。
書評
テーブルを分割する正規化については、個人的には何となく理解しているつもりでしたが、これまで経験したのはせいぜい３分割程度で、今後さらに多くのテーブルをリレーションで繋ぐような設計になった時に少し不安があったのですが、正規化する理由やポイントがしっかりと説明されていたので、納得しながら読むことが出来、不安も解消されました。
各章の末に確認問題があり、”読んで終わり”ではなく実際に考えて手を動かして再確認し、会得するということが考えられた構成になっています。
特に読んでいて役立ったのが、バッドノウハウとグレーノウハウです。前者は、経験が浅い頃に自分もやっていたようなことが紹介されていたので、データベースを扱う技術者であれば一通り知っておくべきだと思いました。後者は、推奨はされないが場合によっては採択することも検討する手法ということで、今後のヒントになりそうな情報が得られました。
最終章では木構造を扱う設計について書かれていますが、木構造の概念は知っていても内容は少し難しく感じました。実際に設計することが無ければ、軽く読む程度でも良さそうです。
一通り読んでみて、確かに多くの人が良い評価をしているだけある、読み応えがあって中身の充実した本でした。出来るだけ多くの人に読んでほしい本です。
