2016年12月末頃にNW-WM1Aを購入し、5年と3ヶ月ほど使用してきましたが、後継機のNW-WM1AM2が発売されましたので、発売日に入手して実際に数週間使って感じたことを書いておきます。
より原音に忠実な音だが、好みが分かれる
WM1AはWM1Zに比べてメリハリのある音作りで、例えばクラシックやバラード系などとは正反対の、ノリが良い曲に向いていると言われました。
しかし、WM1AM2はWM1Aに比べると大人しい音作りなので、これまでの(WM1Zを除く)ウォークマンに慣れた人にとっては物足りなくなるかもしれません。
かつての私は、クリアベース(※)やイコライザーを使って、ドンシャリ系で聴いていましたが、年齢を重ねるにつれ落ち着いた音で聴きたいと思うようになってきました。
※昔のウォークマンに搭載されていた低音を強調する音質設定
少なくとも今の自分は、WM1AM2の音に満足しています。
音の空間の広さが拡大
WM1Aではバランス接続で聴いており、アンバランス接続よりも広がりを感じられる聴こえ方が気に入っていましたが、WM1AM2ではWM1Aを上回る広さを十分に感じられ、元々広いサウンドステージを持つ私のイヤホン”ZENHISER IE800S”では、さらに広大な音場を提供してくれました。
特に、自分の斜め後ろからの音が聴こえるようになったことに驚きました。
解析系の再生画面が無くなったのは残念
WM1Aにはスペクトラムアナライザやピークメーターなど、音の成分や大きさの変化を視覚的に見られる再生画面が選択出来ましたが、WM1AM2ではジャケット表示画面以外にはカセットテープ表示しかありません。
カセットテープには懐かさを感じ、これはこれで面白いものではありますが、かつてあった再生画面も好きだったので、個人的には残念な点です。
推しやすく改善されたハードウェアキー
WM1AM2では電源ボタンが他のボタンと少し離れた位置に独立しました。これにより、手探りで操作するボタンが6個から5個に減り、少し楽になっています。
しかし、ボタンのデザインはWM1Aの方が明らかに高級感がありました。
引き続き利用可能なリモコンが便利
WM1Aのアクセサリとして販売されていたリモコン「RMT-NWS20」が使用出来ました。ZX-500シリーズでは使用出来ないと聞いており、WA1Mと共に手放す予定だったので、これは非常にありがたいことでした。
しかし、この製品は既にディスコン(生産終了)しており、入手が困難になっています。
追記:
リモコンをペアリングしている状態でAndroidが画面ロックを発動すると、ロック解除に必要なキーボードが表示されず、再起動するしかなくなる問題が起きています。
ケースを付けると大きく重い
何も付けていない本体は、厚みのあるスマートフォンといった見た目です。重量は増えているものの、比重の関係上、重さはあまり感じません。しかし、長く持っていると腕が疲れます。
問題は、ケースを付けた場合です。純正レザーケースを同時に購入しましたが、重くて厚くて、全くスマートではないデバイスになってしまい、結局外してしまいました。
サードパーティーからTPUケースが発売されましたので購入しました。
サイズはピッタリで、純正レザーケースに比べて軽量・薄くてスマートです。気軽に持ち出すなら、これくらいのケースが良いと思います。
外観の高級感は下がった
先述した操作ボタンもですが、ケースの表面加工はサイドも背面も味気ないものになってしまいました。工業製品としての美しさは、圧倒的にWM1Aの方が優れています。
クリアではないケースを付けてしまえば殆ど見えないとはいえ、フラグシップシリーズなのですから、こだわって作って欲しかったと思っています。
WM-PORTからの解放
WM1Aの充電兼通信ポートはWM-PORTだったので、旅行などで何日か持ち出す際は専用のケーブルを持っていく必要がありましたが、WM1AM2にはUSB-Cポートが採用されたので、荷物が減りました。
なお、普段の充電ではAnker製の30WのPD充電器を使用していますが、これを使うと急速充電が出来るので、長い時間待っている必要が無く、とても助かっています。
ロック解除が面倒
Android搭載により、基本的には画面ロックを有効にして使用する為、それを解除する手間が発生してしまいます。
ロックしない・ロックの頻度を下げることも出来ますが、代わりにセキュリティ強度が下がります。その場合は、Googleアカウントを紐づけない運用も検討する必要があるかもしれません。
バッテリーのスタミナは十分(ストリーミングを除く)
WM1AはLinuxベースの独自OSでしたが、WM1AM2にはAndroidが搭載されました。A100やZX500シリーズの評価もあり、バッテリーの持ちについては懸念されていましたが、通常使用する分には特に問題無いレベルであると感じています。
ストリーミングサービスを利用すればバッテリー残量は勢い良く減っていきますが、元々インターネット通信は電力を多く消費するものなので当然です。それでもなお、A100やZX500シリーズよりもスタミナはある方なので、電源の確保を気にする必要性は下がります。
個人的に、本体を大きくした理由の1つはバッテリー容量を増やす為だったのではないかとも思っています。
長く使っていきたいので、WM1Aにもあった”いたわり充電”はセットアップ後すぐに有効化しました。
Media Goが引き続き使用可能
WM1Aの頃に使われていた楽曲管理ソフトのMedia Goは、今や後継に最新の座を譲られてしまいましたが、WM1AM2でも問題無く使用出来ます。
最新の楽曲管理ソフトは、どうも使いづらいというか、これまで使ってきたものに慣れてしまっているので、乗り換える気がしないのです。
かつてのWM1Aユーザーであれば、無理に楽曲管理ソフトを乗り換える必要はありません。
NW-ZX570が発売された時、「ストリーミングミュージックを聴くなら、WM1AをBluetoothレシーバーにしてスマホで再生すれば良い」と言って買い替えませんでした。
しかし、NW-ZX570で感じた音場の狭さや「バッテリーが持たない」という数々のレビューを改善したWM1AM2で実際にストリーミングミュージックを聴いてみると、手間や音質などを含めて以前のスタイルには戻れません。
WM1Aと同じく、出来るだけ長く愛用していこうと思っています。