前回の輪行から1年以上が経ち「そろそろ何処かへ行きたい…」と思いつつ、近場で良さげなサイクリングロードが無いかと探したものの、これといった候補も見つけられずにいたのですが、「別にサイクリングロードを走ることにこだわる必要は無いだろう」ということに気づいて、せっかくなので未踏の都道府県を対象にして行き先を探すことにしました。
なお、”未踏の都道府県”という条件は、私の「日本の全都道府県を訪れる」という1つの目標を達成することを兼ねたものです。
考えた結果、選んだのは「山梨県」でした。最初は、温泉目当てで石和温泉方面を検討しましたが、周辺の観光スポットの多さも考慮して、甲府市の甲府駅を中心にして各所を巡りながら走る計画になりました。
※緊急事態宣言が発令されていない時期に訪れています
1日目
初日は観光する予定は一切入れず、現地に着いて晩御飯を食べてから宿泊先の温泉に入って寝るだけのスケジュールにしたので、昼過ぎに名古屋駅から特急しなの(ワイドビューしなの)に乗ってのんびりと出発しました。
2時間ほど乗って塩尻駅へ到着し、ホームに降りた瞬間、底冷えする寒さに震えました。4月中頃でも雪が降っていたくらいなので、長野県は寒い地域なのかもしれません。
塩尻駅には入り口が狭いことで有名な立ち食い蕎麦屋があります。いつかまた立ち寄ることがあったら食べてみたいものです。
塩尻駅から新宿方面の特急あずさに乗って甲府駅へ向かいます。しかし予定時刻を過ぎても列車は来ず…アナウンスがあり、人身事故で遅延していたとのことでした。
特急あずさには初乗車だったので、(金額も500円程しか変わらなかったこともあり)行きだけはグリーン車に乗ってみたのですが、赤いカーペットが敷かれていて少し豪華な雰囲気で、座席の足元の空間も広く、コンセントも付いていて、快適なひと時を過ごせました。
右端のD席に座れば諏訪湖が良く見えるかもと期待していたものの、思ったより良く見えなかったのは残念でした。
甲府駅に着いたのは16:30頃で、日の入りも近い時刻で空は薄暗くなっており、とりあえず駅を出て、まずはブロンプトンを展開し、宿泊先まで走りました。たったの1kmも無い短い距離でしたが、知らない土地を走るのは新鮮味があります。
宿泊先として選んだのは「天然温泉 勝運の湯 ドーミーイン甲府丸の内」で、”駅から近くて露天風呂があって朝食が美味しそうな所”という条件で探して見つけた所です。
部屋の広さにしては珍しく、室内には中扉があります。閉めると密室感が増して落ち着きます。
自転車を置いて最低限の荷物だけ取り出し、晩御飯を食べる店を探してみると駅近くに良さそうな店を発見し、早速徒歩で向かいました。
“ほうとう”をはじめとした山梨の郷土料理が食べられる「小作 甲府駅前店」です。”行列が出来る”だとかレビューに書いてあったので並んで待つ覚悟をして行きましたが、すぐに入店出来たのは運が良かったのかもしれません。
期間限定の”牡蠣ほうとう”と”鳥もつ煮”を注文。どちらも美味しく頂きました。
甲府駅近くだったので一旦駅まで行って、帰りの列車の切符を予約購入して発券しておき、土産物屋に立ち寄って信玄餅アイスを買って宿へと戻り、温泉に入って1日目は終わりました。
聖地らしいので… 信玄餅そのままの味
2日目
朝食プランを予約したので、朝食会場で食べてから9時前頃に出発しました。
荷物の鞄は背負うと重いのでキャリアに載せましたが、この時に垂れ下がった細いベルトが後で不幸を招くことに。
遠目に見えるオブジェは何だろうな…など思いながら走っていると後輪に違和感を感じ、「もしやパンクか」と慌てて見てみると、鞄の細いベルトが後輪に巻き込まれており、引っ張ると裂けて引き抜くことが出来たので、再度漕ぎ出すもペダルが全く回せず、再度状態を確認すると、チェーンが外装変速のスプロケットから中途半端に外れていた状態で、力尽くで指で引っ張り上げて引っかけなおしたところ無事に走れるようになりました。
自転車故障によって早々のリタイアを余儀なくされたら、その日はずっと落ち込んだ気分で徒歩移動出来る範囲を見て回ることになっていたことでしょう。
ナビが示す宿泊施設からの3km程のルートに従って狭い裏路地などをノンビリと走りつつ、最初に辿り着いたのが「甲斐善光寺」です。有料で拝観出来るそうですが、私は周囲を手早く見て回って立ち去りました。広めの駐車場があるので車で来ても問題無いと思います。(自転車で来る人はそうそういなさそう)
次に向かったのは、武田信玄を祭神とする「武田神社」で、最短ルートは4km、長くて緩い上り坂が続き、トンネルを通ります。高い所から見下ろす道は眺めが良いです。
トンネルには歩道がありますが、走行音を反響させながら自動車が速いスピードですぐ横を通り抜けていくのは少し恐怖感があります。
神社は、団体観光客や七五三撮影らしき家族等で賑わっていました。
参拝して境内を軽く見て回り、神社から真っすぐ南に下り続けて向かった先は…
甲府駅前の北側にある、外装・内装が洒落ている「山梨県立図書館」です。特に調べものがあったわけではないですが、単に観てみたくて立ち寄りました。
図書館を訪れた後は、すぐ近くにあるショッピングモール「甲州夢小路」へ。各店舗は大きくないものの、様々な店が軒を連ねており、城下町を意識した風情ある造りで雰囲気も良いです。
ここに来た目的は、「葡萄屋kofu」という店で美味しい葡萄ジュースを買って飲むことだったのですが、せっかくなので評判の良いレーズンサンドも(衝動的に)一緒に購入しました。
昼御飯の時間には、まだかなり早く、もう暫く色々見て回ることにして、「そういえば武田信玄公像を見ていなかった」と思い出し、甲府駅へ戻って写真だけ撮っておきました。
この後の予定として、「山梨ジュエリーミュージアム」に寄る予定でいたのですが、なんとなく1人で入る気にならず、結局スルーして甲府城跡を見た後、ほど近い「甲府市役所」を訪れました。
ここは、10階の展望ルームが朝から夜まで無料開放されていて、高所からの甲府市の景色を楽しむことが出来ます。
それなりの時間を市役所内で過ごして時刻は12頃を回っていたものの、朝食を食べ過ぎたのか空腹感もあまりなく、カロリー消費も兼ねて南に4km程下った所にある店を目指しました。そこは、定番の味から季節のフルーツまで、色々な味のアイスが食べられる「氷菓」という店です。
「アジロン」という赤い葡萄と「ネオマスカット」をカップで買ってオープンテラス席へ。屋外でアイスを食べるような季節ではありませんでしたが、自転車を漕ぎ続けて若干体温が上がっていたので、丁度クールダウンが出来て良かったです。
時刻は13時を過ぎ、やっぱり腹は減っていなかったのですが、このまま何も食べずに夜までもたせる自信も無かった為、予め昼食候補として目星を付けておいた店を目指して、通ってきた道を北上しました。
少し薄暗い裏路地で盛大に写真がブレてしまいましたが、甲州ワインビーフのハンバーガーが食べられる「NAP bed and lounge」という店があります。ただ、折りたたんだ自転車を持ち込むのも躊躇するほど想像していたよりも狭く、店内はあと一人入れるかどうかという状況で、落ち着いて食べられそうに無かったため諦めて、先ほど立ち寄った甲州夢小路で見かけた店へ行くことに。
同じく甲州ワインビーフのハンバーガーが食べられる「Back Country Burgers 甲州夢小路店」でクラッシックバーガーを注文。この日はテイクアウトのみだったので、店舗横のベンチで食べました。普段あまりハンバーガーは食べないのですが、ここのハンバーガーは食べておいて良かったと思えるくらい満足出来る味だったと思います。
ゆっくり食べて甲府駅へ戻ったものの、帰りの列車まで2時間近くあったので、甲府市役所に戻り、寒風をしのぎつつベンチで休み、最後に軽く駅構内の店を覗いて帰路に就きました。
初めての山梨県でしたが、自転車(ブロンプトン)を持っていって良かったと思いました。各観光スポットを全て徒歩で移動するには時間がかかりすぎて現実的でないけれども、(休日故に)それほど本数は多くないだろうバスの発着時刻を気にして行動するのも疲れそうだったからです。
数キロ間の移動であれば自転車は最も適した移動手段だと思います。さらに折り畳んで手荷物にすることが出来れば、駐輪場が無くとも駐輪したくなくとも問題ありません。
連泊して長距離を移動する縦断・横断旅行のような長旅にブロンプトンを持っていくのは、荷物の量や体力を考えると私にはまだ少し難しく感じるのですが、1泊するくらいなら今後も積極的に持っていこうと考えています。