「メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~ DX」は、2011年にPlayStation 3で発売された「メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~」に追加要素を加えて2013年にPS Vitaで発売された「メルルのアトリエ Plus ~アーランドの錬金術士3~」が、2018年にPS4・Nintendo Switch・Steamで発売された作品です。
前作「トトリのアトリエ ~アーランドの錬金術士2~ DX」を遊んだことにより衝動買いした後、1ヶ月ほど積んでありましたが、今回約1か月(プレイ時間は48時間)かけて1週目をゲームクリアしましたので、ここに感想を書いておきます。
なお、これまでプレイしたアトリエシリーズは、ルルア・ライザ1・トトリ・アーシャに続き、本作で5作品目となりました。
安心のイラストクオリティ
アーランドシリーズのイラストは岸田メル氏が手掛けています。服装のデザインには賛否両論あるようですが、その点に嫌悪感を抱かないのであれば十分満足できるクオリティだと思います。
なお、全てのイベントスチル(CG)を見るには全てのエンディングを見る必要があるのですが、これは少々気合いが必要です。※後述
クエストの期限が無く自由度が高い
ノーマル以上のエンディング見る為の条件を除き、メインストーリーを進める為に開示される「開拓」という名のクエストや、仲間の親密度上げや資金稼ぎを目的としたサブクエスト的な「依頼」は、期限が設けられておらず、自分のペースで進めていくことが出来ました。
期限が無いとは言え、開拓についてはノンビリし過ぎると見たいエンディングはおろか、最低限のノーマルエンディングさえ見損ねることになるので、可能な限り開示された順から最優先で消化していき、残った(クリア期限までの)時間で、思いのままに過ごすのが一番余裕を持って楽しめます。
追加要素はあるが難しくない錬金システム
「トトリのアトリエ ~アーランドの錬金術士2~」には無かった、”素材に付いている特定の特性を掛け合わせて新しい特性を生み出す”という要素が追加になったものの、それを狙う場合の素材集めや調合が少し面倒になるくらいで、特に理解が難しいといったものではありません。
特性については、気にせず調合してもゲームを進めることは出来るものの、開拓で納品するアイテムにおいて指定された特性が付いていると納品数が少なく済むこともあり、少しでも経過日数を抑えようとする(※)ならば、これを意識して調合する必要がありました。
※納品数が多い=錬金術で調合して作る数が多い=調合に必要な日数が長くなる
単純で難しくない戦闘システム
戦闘はターン制で、自身の行動が回ってきたら攻撃・アイテム使用(メルル・トトリ・ロロナのみ)・必殺技(ゲージ蓄積が必要、メルル以外)・防御・逃走のいずれかを行います。
また、主人公のメルル以外が行動するごとに貯まっていくアシストゲージを消費して、メルルに続いて敵に追撃したり、メルルの盾(肉壁)となって敵の攻撃を受けたりと、状況に応じて戦い方を変えることが出来ます。
中でも、アシストゲージを2人×2回分消費すると、メルルが使用した攻撃アイテムの威力を大幅に引き上げて攻撃することが出来、さらに弱点属性を突くことが出来れば、より大きなダメージを与えられるので、これは中々爽快感があって良かったです。
お金が貯めやすい
サブクエストである「依頼」では、素材や(錬金術での)調合アイテムの納品、または特定モンスターの討伐が複数発行されますが、素材の納品依頼ではNPCが販売している素材が指定されることも多いので、依頼を受ける→店で購入する→購入したものを納品する、といった流れで簡単に稼ぐことが出来ます。
また、ホムンクルス(作業を手伝ってくれるキャラクター)に素材の収集・アイテムの調合を頼んでおき、自分が討伐系の依頼を達成するまでの間に納品系の依頼を達成する…といったように、効率的に依頼をこなすことが出来る仕組みも、日々経過する日数を節約するうえで、非常に助かりました。
オートセーブ無し
こまめなセーブが必要です。
戦闘または錬金の比重を決めてゲームを進められる
ゲーム内で開拓を達成すると得られる開拓ptを消費して様々な施設を建造出来ますが、戦闘に関する施設(例えば経験値が多くもらえるようになる施設)もあれば、錬金に関する施設(例えば調合に使用する素材数が少なく済むようになる施設)もあるので、どちらかを優先的に立てていけば、戦闘レベルをひたすら上げていってゴリ押しする遊び方とか、低Lvでありながらも品質・性能の高い装備とアイテムで乗り越えていく遊び方が出来ます。(アトリエシリーズは基本的に後者の方が楽です)
ただし、特定のエンディングを見たい場合は、どちらもそこそこに調整しておかないと、クリア期限に間に合わなくなることもあり得ます。
癖の強いキャラクターが多い
主人公のメルルは、明朗快活で少々猪突猛進なところもありながら、一般的な明るい普通のキャラクターですが、その周囲を取り巻く人達(特に過去作で舞台だったアーランド出身の人)が個性的で、ツンデレ・百合・炉理・幽霊…等色々あるので、これらが苦手の人は各所で多々発生するイベントには少々苦痛を感じるかもしれません。
“普通な”メルルが対応する場面では、良い感じで事態を収束させてくれるのですが、メルルが不在な場面では基本的に”最後まで全開”なノリが続くので、特殊要素が刺さらない人は、ある程度の覚悟が必要です。
稀に表示バグが発生する
ゲームを終了させることなく、スリープ状態を使って長時間プレイしていた時に起きた覚えがありますが、画面の文字が読めなくなったり、一部オブジェクトのテクスチャが適用されなかったりする不具合が発生しました。定期的にゲームを再起動(終了→起動)した方が良いのかもしれません。
最新のパッチ(アップデータ)を適用した状態でしたが、某所のレビューに書かれていた進行不能なバグは発生しませんでした。
クリア期限付き、難易度は普通程度
ゲーム内では時間が経過し、1年目の4/1からスタートして4年目の4/1時点で一定条件を満たしていれば期限が延長され、5年目の3/31まで行動できるようになり6年目の4/1でエンディングとなります。
開示される「開拓」を淡々とこなし、無駄な行動(ひたすらアトリエに籠って調合する等)をしなければ、4年目の4/1を超えてエンディングまで到達することは難しくない難易度だと感じました。
ただし、ノーマルエンディング以外の各種特別エンディングを見ようとすると、ある程度(攻略情報なども見ながら)考えて計画的に行動することが必要になります。それは例えば、強いBOSSを倒すとか錬金Lvを限界まで上げるということです。
プレイ1週目において、満たすべき条件が多い上位エンディングも狙いましたが、期限的にギリギリとなってしまいました。
行動内容によって多彩に変化する評価レポート
日数が経過するゲーム内において、特定の時期になると「新聞」が発行されます。
それまでどのように行動してきたかを、細かな実績付きで掲示されるシステムで、これが毎回楽しみでした。
かなり多くのパターンがあるようで、わざとサボりまくって酷い内容を読むのも面白いとか…。
周回プレイ前提
一部のイベント・キャラクターの加入・エンディングは、2週目限定となっているので、それらを楽しみたければ、一度ゲームクリアしてクリアデータを保存し、それを引き継いで最初からプレイし直す必要があります。
各キャラクターの装備品のみ引き継がれるので、1週目と違ってサクサク進められるとはいえ、大部分は同じ作業を繰り返すので、とことんやり込みたいユーザーでなければ苦行です。
資金稼ぎには困らず、細かい期限に追われることもなく、難しい錬金システムも無く、クリア期限までマイペースで楽しめました。
2週目要素が気にならない訳ではありませんが、(積んであるゲームもあるので)それらは適当に”先人達が残した記録”で補完することにして、これにてゲームクリアとします。
次は、ライザ2をプレイする予定です。