2022年春のことです。香川県に到着したものの、(事前調査不足だった自分が悪いのですが)行く予定だった観光スポットが全て臨時休業となっており、「いずれまた必ず来る」と誓い、涙を飲んで次の目的地だった愛媛へと向かう…という虚しい過去がありました。
そして、夏が終わって秋がやってきた頃、丁度遊び終わったノベルゲームの聖地が香川県にあるということを知って、香川県旅行の計画を再び立てることとなりました。
1日目:名古屋→岡山
仕事を終え、19時頃の東海道新幹線のぞみ号広島行きに乗車し、20時半頃に岡山駅に到着しました。
今回の旅ではブロンプトン(折り畳み自転車)を持ってきていたので、駅前で展開して1日目の宿泊施設まで走ることに。
5分足らずで着く予定だったものの、方向音痴気質を発揮して真逆の方向に走っていたり、昇り降りが必要な地下通路を2度も通らされたりと、無駄に時間をロスして「天然温泉 備前の湯 スーパーホテル岡山駅東口」へ到着しました。
駅前のホテルも検討しましたが、騒がしそう・温泉(大浴場)に入りたいという理由で、ここになりました。
温泉に入り、明日の準備を整えて就寝。1日目は終わりました。
2日目:岡山→香川
岡山駅→宇野駅→宇野港
7時半頃に起床、朝食会場へ行ってバイキングの朝食を軽く食べておきました。(写真取り忘れ)
8時半頃に全ての荷物を持ってチェックアウトし、自転車に乗って岡山駅へ。
岡山駅から瀬戸大橋線の快速マリンライナー高松行きに乗車し、途中の茶屋町駅で下車して、宇野線の宇野行きに乗り換えました。
宇野駅のすぐ近くに直島行きのフェリー乗り場があります。
到着したのは10時過ぎで、既にフェリーは入港していましたが、まだ乗船開始しておらず、チケットを買った後は乗り場付近でのんびりと過ごしていました。
11時の少し前に乗船が開始され、自転車を引いて車両用のスペースの端に駐車してから、甲板(屋外のデッキ)に登りました。
快適なのは屋内ですが、天気が悪く無ければ屋外の方が見晴らしも良くて気持ちが良いです。
宇野港→宮浦港(直島)
11時になってフェリーは宇野港を出航しました。
船の進む速度を速度計測アプリで図っていましたが、大体12ノット前後(時速22km)だったと思います。
直島までの所要時間は20分くらいで、写真を撮ったり船内をウロウロしていたら、あっという間という感じでした。
直島散策
宮浦港には「道の駅なおしま」という洒落た立派な建物があり、軽食を摂ったり土産物やフェリーのチケットを買うことが出来ます。
宮浦港からメインストリート方面へ行くと、ひときわ目立つ派手なオレンジ色のレンタサイクルショップがあります。
イラストが貼ってあったりTシャツが飾られていますが、それはここ直島が、ノベルゲームなどの制作を行っている株式会社ビジュアルアーツのゲームブランドであるKeyが発売した「Summer Pockets」の聖地であることを示しています。
旅程を考えていた時、”直島内の観光はレンタサイクルが便利だけど、事前予約しておいた方が安心”ということを知り、予約をしようとしたものの既に空き無し状態となっており、当初は予約不要なこのレンタサイクルショップで借りようかとも考えていました。
しかし、確実に借りるには、かなり早い時間に到着しないといけない。しかし、日を跨いでのレンタルも出来るらしいので、最悪の場合は早く来ても借りられないかもしれない…というリスクもあります。
そして実際、直島に付いた時点で(到着時間が少し遅かったことも影響があったでしょうが)全て貸出中の状況で、自分の自転車を持ってきて正解でした。
聖地巡礼では、有志が作ってくれたマップをスマホで表示し、それを自転車のホルダーに付けて走ることにしました。
早速スポットの巡礼を…と場所を確認したところ、既に行き過ぎていたので港付近まで戻って撮影。
ゲーム内の背景CGと殆ど一致しています。聖地巡礼というのは実は初めてでしたが、意外と楽しいものですね。
レンタサイクルショップから少し北に行って路地に入ると店舗があります。
ゲーム内で登場する駄菓子屋です。現実のお店は駄菓子ではなく和菓子や洋菓子を売っています。同じ目的と思わしき若者二人組が入っていったので出てくるのを待って入店。
店内には聖地巡礼しにきたファンが寄贈していったグッズが所狭しと飾られています。
写真だけ撮って出るのは申し訳ないので、クッキーを2つほど選んで購入しました。
さらに先に進むと、そこにはゲーム内で登場した神社があるそうなのですが、私有地となっており入れないようなので、来た道を少し戻って、次は西へと走りました。
事前に調べて分かってしましたが、島は坂道が多いので、自転車の場合は最低6速くらいの変速付きか電動アシスト付きでなければ辛いです。
途中で細い脇道に入って暫く走ります。前方には、ここでも同じ目的と思わしき3人組が走っていました。
ゲーム内で登場したため池ですが、正確にはダムです。
写真を撮ってすぐに引き返しました。
脇道に入った所の道まで戻って再び西へ。
うどん屋がある所が、ゲーム内で登場した主人公が世話になった家と、その家の前の通りのようです。
うどん屋がゲーム内で登場した食堂らしいので入ってみました。
中は思ったよりも狭くて、時間も丁度昼頃だったので、すぐに満席になりました。
かけうどん(小)を注文。素朴な味わいのうどんです。
店を出て西の端へ。ふと左を見ると気になるオブジェクトがあったので撮影しておきました。
アート作品の一部らしいですが、やはり私にはアートというものが良く理解出来ません。理解するのではなく感じる?ものなのかもしれませんが…。
なお、ここに来るまでに通った道にも聖地スポットがあったようです…。完全に見逃していました。
次は南に走り続けて、砂浜に降りられる所に自転車を駐車。階段を降りて左(北方向)へ砂浜を歩きます。
岩場地帯を乗り越え、また暫く歩くと石板の道が見えるので、ここに登って歩きます。
ゲーム内で釣り場として登場した所です。奥の遺構の中には何もありません。
ゲーム内での描写は、もう少し潮が引いて岩場が見えています。写真だけ撮って戻りました。
なお、ここに来るまでに乗り越えた岩場は濡れており、海水に浸かっていた時があった、つまり歩いて来るのが困難な時間帯があるということです。
私が訪れたのは12時過ぎで、特に問題ありませんでしたが、ここを訪れる際はどうぞご注意ください。(潮見表・潮位表を調べると良いです)
さらに南下して浜辺へ。特に何もありませんが、ゲーム内で登場した浜辺です。
ここの近くには砂に埋まった鳥居があります。昔は今よりも砂が少なかったのでしょうか。
この後は、東へ抜けるルートで港へ戻ろうと考えていましたが、目の前に立ちはだかる急勾配な上り坂を見て嫌な予感がして、結局ここまで来た道を通って戻りました。
宮浦港(直島)→高松港
14時20分の高松港行きフェリーに乗船しました。せっかくなので船内の客室に座りましたが、とても広くて快適です。
1時間かかって、高松港に到着しました。
高松では、どうしても行っておきたい所がありました。それは、以前来た時は臨時休園で入れなかった栗林公園です。
高松での宿泊施設にチェックインして荷物を軽くしてから行こうかと考えましたが、なんとなく面倒だったので、そのまま目的地へと走りました。しかし、この判断は間違いだったのです。
現地について、駐輪場へ自転車を置いて…荷物を置いていくわけにはいかないので、フロントバッグとバックパックを持って入園しましが、これらが重くて無駄に体力を消耗しました。
良く考えれば普通の公園ではないので、自転車を押して歩けるような所ではないわけです。
園内は広いです。周遊コースが北と南に分かれていますが、全て回ろうとすると最低でも2~3時間以上はかかりそうでしたので、気になった所だけ見て回って退園しました。
来た道を戻り、高松での宿泊施設である「JRクレメントイン高松」に到着。ここは、高松駅も高松港もすぐ近くで1階にはコンビニもあり、利便性抜群です。しかも大浴場付きなのが嬉しいです。
チェックインして荷物を置き、どこへ何を食べに行くか調べました。香川と言えば讃岐うどんですが、昼にうどんを食べていたので、違うものが良いかなと思いながら調べていると、骨付鳥というものが名物であることが分かりました。
食べられる店舗は市内の各所にありますが、一番近いサンポート高松(シンボルタワー)のレストランフロアにある店へ行ってみることに。
タレ味の骨付鳥セットを注文。外側は少しカリっとしていて、中は柔らかい鶏肉で、味は程よく濃いめで御飯が進む美味しさです。
食べ終えた後は、1階の四国ショップ88(土産物屋)でご当地の菓子などを買ってホテルへ戻り、大浴場へ入ってから就寝。2日目は終わりました。
3日目:香川→岡山→名古屋
朝食は和食または洋食のプランがあり、手早く食べられそうな洋食にしておきました。
1階のプロントで朝食券を渡すと、ドリンク・パン1種・サラダ・ゆで卵・果物orヨーグルト?のセットが食べられる仕組みです。
ゆで卵は食べるのに時間がかかりそうなので、やめておきました。
開店7時ぴったりに入店し、5分くらいで食べ終えて退店。急いでいた理由は、8時に出港するフェリーに乗船する為です。
この日は自転車に乗って男木島で聖地巡礼する予定で、所要時間を考えると、もう少し遅いフェリーに乗船しても余裕なのですが、昼頃から天気は崩れる予報となっており、なんとしても午前中には全ての行動を終わらせたかったのです。
ホテルに戻り、最低限必要な荷物以外をフロントに預けてチェックアウトし、すぐにフェリー乗り場へ向かいましたが…
乗船30分前の時点で既にチケット売り場には長蛇の列が出来ており、愕然としました。ただ、想像以上に列の進みは早く、10分くらいで”女木島行きの往復チケット”を購入することが出来ました。
自転車を船に乗せて駐輪し、デッキに登って海を眺めながら「あと10分で出航か…」と考えながら、ふと自分の買ったチケットを見ると、「高松→女木島」と書いてありました。
自分が行くのは女木島ではなく男木島です。しかも、男木島は女木島を経由していく島でもあり、このチケットでは運賃不足です。
急いで船を降りて近くの関係者の方に事情を話すと、すぐに売り場の方に走っていって事情を伝えてくれて、チケットの購入待機列を割り込むような形で不足分を支払って正しいチケットを貰うことが出来ました。(並んでいた方、申し訳ございません)
走って再び乗船し、フェリーは出航しました。
高松港→男木港(男木島)
20分で女木港に入港、ここでは沢山の人が下船していきました。
別方向へ目をやると、帆船のようなオブジェを発見。船のように見えますが、後ろ側がピアノのようなデザインになっているようです。
ゲーム内では、鴎ルートで海賊船(実際はボロい帆船)の描写が登場しますが、おそらくこれがモチーフになっているのでしょう。(現地にはカモメのオブジェも沢山並んでいるので、きっとそうです)
なお、女木島にも1つだけ聖地スポットになっている鬼ヶ島大洞窟という所がありましたが、天候と時間と人混みの都合上、スキップしました。
くねくねとした細くてアップダウンがあるだろう山道を走り、洞窟の入り口の写真だけ撮ってから、とんぼ返りで戻ってくるのは勿体ないかなと思った故です。時間がある人は是非行ってみて下さい。
男木港(男木島)→高松港
女木島を離れて暫く経ち、男木島が真正面に見えてたきた所で撮影。ゲーム内で登場した鳥白島のモデルとなった男木島の全景です。
女木港の出港から20分経って、フェリーは男木港に入港しました。
早速、自転車を展開して、最初の目的地である島の北の先端方面を目指します。
道が狭くて坂が多いです。昔はレンタサイクルがあったらしいですが、すでにサービス提供終了したそうで、自分で持って来ない場合は徒歩移動になります。
最初の目的地まで徒歩で行くと片道30分、往復1時間かかるので、自転車を持ってきたのは正解だったと思います。
目的地へ行く道の途中で1枚撮影。ただの道ですが、ここも一応ゲーム内で登場した聖地スポットらしいです。
走り続けると、目的地が見えてきました。
男木島灯台です。総御影石造りで無塗装というのは、全国的にも珍しいそうです。
勿論、ここも聖地スポットで、ゲーム内で登場した灯台です。ゲームでは、私が一番最初に攻略した推し(紬)のルートで舞台となった場所なので、実際に訪れることが出来て、とても感慨深い気持ちでした。
それにしても、空がどんより雲で残念です。やはり、島には夏に来た方が良さそうですね。
すぐ近くの砂浜には石碑のようなものがあります。上に、貝が置いてありました。ゲームをプレイした人だけが理解出来るものですね。自分も1つ置いてきました。
すぐ近くに資料館があり、丁度9時になって開いたので入ってみました。
資料館の裏にはキャンプ場もあります。
来た道を戻りましたが、灯台への道の入り口付近の道は坂の勾配が凄くて、帰りは下りでしたが怖くて自転車を降りました。写真から、その傾き度合いが分かりますでしょうか。
引き続き、聖地スポットを巡ります。残りは、どこもすぐに行ける所です。
港近くにある白い建物。ゲーム内では役所として登場しましたが、実際は漁業協同組合の建物です。
その近くの場所から、もう1枚。ここもゲームのキービジュアルの背景らしいのですが、ちょっと分かりにくい気がします。
そこから島の南東方面へ。
それにしても、この島は至る所に猫がいます。時間帯によっては人より猫の方が多く遭遇するかもしれません。
途中、ゲームのイラストが貼ってある所を発見。
ポスターの「うみの未来を守ろう」の「うみ」を平仮名で書いてあるところが良いです。(「海」と、ゲームに登場するキャラクターの一人である「羽未(うみ)」をかけている)
すぐ近くに、倉庫のような建物。おそらく、ゲーム内で登場した秘密基地のモデルかな?
その隣に、小中学校のプールがあります。ゲーム内で登場したプールがここですね。
さらに進みます。
猫達の横を通って…
最後のスポット。普通の道ですが、ゲーム内で登場した海沿いの道です。
ゲームの鴎ルートでは、ここからスーツケースに乗ったまま海へ落ちますが、ここの沿岸沿いは浅瀬なので、実際に勢いよく落ちると、体を強く地面に打ちつけて大怪我しそうです。
フェリー乗り場付近に戻り、11時出航のフェリーまで適当に近場をウロウロ。
フェリーの待合所にトイレがありますが、この近くのコミュニティセンターでもトイレを借りられます。人が少ない(行ったときは誰もいなかった)ので、混んでる時はこちらを利用するのも良いでしょう。
フェリーが入港し、乗船しました。
そして、不意に島の山の方を見ると、見覚えのある建造物を見付けました。多分、電波塔?のようなものだと思いますが、ゲーム内では放送塔として登場します。→放送塔は別で島内に存在するそうです。(見つけられず)
40分かけて、高松港まで戻りました。
高松駅→岡山駅→名古屋駅
時刻は11時40分過ぎで、丁度お腹も空いていたので、めりけんやで昼飯としました。
食べてから外に出ると、駐輪してあった自転車には水滴が…どうやら雨が降ったようです。もっと遅い便で帰ってくるようなスケジュールで行動していれば、傘をさして自転車を押して歩くようなことになっていたことでしょう。
自転車を折り畳んで輪行袋に入れ、高松駅から快速マリンライナーで岡山駅へ行き、新幹線に乗って帰路に就きました。
無事、香川県旅行のリベンジも果たせました。
そして、久々のブロンプトン輪行、持ち運びは少し大変ですが、現地で乗り慣れた自転車で走れるのは楽しいです。
聖地巡礼も、完全なものでは無かったですが、経験出来て良かったです。全て確実かつ正確に回ろうとするなら、島内に宿泊しないと無理そうですね。
次回は、佐賀県を予定しています。